日本では大手量販店の抽選販売に多数の行列ができる事態になっている。転売目的が多数いると指摘する向きもあるが,
希望小売価格以上の価格であっても最終的に欲しい人々がいるために起こっている現象であることを留意しておく必要がる。
このような現象はここ10年,コンシューマゲーム業界では見られなかった現象だ。
PS VitaやPS4,Wii Uでは,転売目的の購買は(発売初期しか)起こらなかったのである。
つまり,我が国においては,これらのハードは最終消費者に欲しいと思わせる力に乏しかったということであろう。
多くの識者は,これをスマートフォンの台頭によるものとしていたが,エース経済研究所では,
任天堂がプレイヤーの好むデザインとスタイルを確立できなかったことによる個別要因で外部要因ではないと考えている。

Switchに関しては,任天堂は秋から供給を増やすとしているが,第1四半期の出荷は国内52万台,全世界で197万台に留まった。
また,前述の制約条件から現状の3万台前後と見られる出荷水準を3倍程度にするのがやっとであろう。
現状の潜在的な国内需要は1000万台で,現時点での実売は120万台を超えたところであるため,とても品薄を解消できる状況にはならないだろう。
エース経済研究所では,部品の需給状況などを勘案したうえで,2017年度のSwitch販売台数予想を会社側計画の1.6倍,1600万台としている。
これは,PS4の2年度めの売上台数1480万台を上回る水準である。
据え置きゲーム機としては,十分な生産量になるといえるが,おそらくこれでも今年度一杯は品薄の状況を解消できないだろう。
これまでの通説では大型タイトルこそが,ハード販売を決めるとされていたため,ソフトウェアラインナップ数が潤沢とは言えないSwitchは失速すると予想されるところだ。
しかし,エース経済研究所では,「形」仮説から見て販売好調が今後18か月程度は続くと想定している。

http://jp.gamesindustry.biz/article/1707/17073103/