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海原雄山「この料理を作ったのは誰だぁ!!」範馬勇次郎「俺だ」 [無断転載禁止]©2ch.net
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2017/08/14(月) 10:55:01.67ID:8WAEtzjg0
都内某所

富井「おい山岡!昼飯でも食いに行くぞ!近場に結構食わせると評判の店ができたんだ」

山岡「もちろん副部長のおごりですよね」

富井「かーバカなこと言うんじゃないよ。そういうことは は た ら い て から言え」

荒川・三谷「私たちもご一緒していいですよね、副部長?」

富井「もちろんだよ。婦人たちは味にうるさいからねぇ。お眼鏡にかなうかな?」



富井「結構並んでるねぇ…」

山岡「俺は並んで飯食べるのが一番嫌なんですよ」

栗田「まぁまぁ山岡さん。押さえて押さえて」
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2017/08/14(月) 10:56:01.15ID:8WAEtzjg0
勇次郎「……………………」

富井「…なんだあの大男は。尋常じゃないでかさだぞ」ヒソヒソ

栗田「まぁなんて肩幅」

富井「あ、列に並ばずにお店に入っていくよ」

山岡「あ!ずるい!俺たちはちゃんと並んでるのに!文句言ってやる」

山岡「おい、おまえ!俺たちはちゃんと並んでるんだぞ!」

勇次郎「………」

店員「勇次郎さま、大変お待たせいたしました。徳川さまが中でお待ちです。こちらえどうぞ」

勇次郎「そういうことだ」エフッ!エフッ!

山岡「あったまきたあの野郎!」
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2017/08/14(月) 10:56:45.68ID:8WAEtzjg0
栗田「ダメよ山岡さん!あんな人相手に殺されちゃうわ!」

富井「そうだよ山岡、第一あの人は中に連れがいたんだろ」

山岡「ぐぬぬ…」


店内

富井「おい…さっきの怖い人と隣の席じゃないか」ヒソヒソ

栗田「なんてすごい量の料理なのかしら!テーブルいっぱいに料理が並んでるわ!まさかあれを二人で食べるのかしら」

荒川「隣の席なんて気まずいわね」ヒソヒソ

山岡「」ブッスー

富井「山岡なんか連れてくるんじゃなかった…」トホホ

店員「お待たせいたしました。こちらが料理になります」

富井「美味しそうじゃないか!」

栗田「良いにおいね」

山岡「いいや、この料理は出来そこないだ。食べられないよ」
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2017/08/14(月) 10:57:18.00ID:yu5TABPX0
長い👿
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2017/08/14(月) 10:57:23.21ID:8WAEtzjg0
富井「な、なんてこというんだ山岡!店員さんに失礼だろ!」

富井「すみませんねこいつのことは私がちゃんと叱っておきますから…このバカ」パチコーン

山岡「いったー叩くことないでしょ!?…この料理、どれだけ化学調味料をいれましたか?店主?」

勇次郎「…………………………………」もきゅもきゅ

店主「隠し味にウェイパーをいれてます」

山岡「やっぱりな。匂いでわかったよ」
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2017/08/14(月) 10:58:09.22ID:8WAEtzjg0
富井「その、うぇ、ウェイパー?ってやつはなんなんだ」

山岡「いうなら私たちの体を蝕む毒ですよ」

富井「ひぇーそんなものが入っていたのかい!?」

勇次郎「…………………………………」もきゅもきゅ

山岡「こんなものが入ったものを客に…」

ばぁぁぁぁぁぁぁぁんッッッ!!!テーブル真っ二つ

山岡「」ビクッ

富井「」ビクッ

栗田「」ビクッ

徳川「あちゃーテーブルを壊すな勇次郎」
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2017/08/14(月) 11:07:25.97ID:8WAEtzjg0
勇次郎「…続けろ小僧」

山岡「えっ!?」

勇次郎「二度は言わねえ。さっきの続きを言え」

栗田「………」ビクッ

富井「……………さっさと続きを言え!山岡ァ…」

山岡「…だから、その…化学調味料をとると…その、舌がしびれたり、バカになったり」

山岡「その…人の食べるものじゃないっていうか…」

勇次郎「………エフッ!エフッ!エフッ!」

勇次郎「…イヤミか貴様ッッ!!!!」

山岡「」ビクッ

富井「」ビクッ

栗田「」ビクッ

徳川「一般人を威嚇するな、勇次郎」やれやれ
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2017/08/14(月) 11:07:29.50ID:X6h2SnIa0
毒をも喰らえって話やろ
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2017/08/14(月) 11:07:41.62ID:CnxmDkze0
栗田「寄生虫もいないなんて…人間は安全を重要視しすぎて自然に真っ向から逆らってたのね…」
山岡「そういう意味では寄生虫がいることこそ自然食品と言えるんじゃないかな」
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2017/08/14(月) 11:08:52.31ID:8WAEtzjg0
勇次郎「確かに、防腐剤…着色料…保存料。様々な化学物質がこの料理には入っている」

勇次郎「体によかろうハズもない」

勇次郎「しかし、だからとて健康にいいものだけを採る。これも健全とは言い難い」

山岡「………」

勇次郎「毒も喰らう。栄養も喰らう」

勇次郎「両方を共に美味いと感じー」

勇次郎「血肉に変える度量こそが職には肝要だ」

栗田(やだ…かっこいい…)ごくり…

富岡「ヤバい…泣きそうだよ」
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2017/08/14(月) 11:09:17.90ID:M4/AHOje0
書いてあるのをコピペしてるんだろ、早く張れよ
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2017/08/14(月) 11:10:08.78ID:8WAEtzjg0
海原雄山「…いやぁ素晴らしい。この海原雄山、大変感銘した」

山岡「…おまえがなぜここに」

海原雄山「そこにいる徳川さんの復帰祝いの打ちあわせだ」

富岡「徳川さんってあの世界を牛耳っている…あの徳川様ですか!しぇー」

徳川「牛耳ってるとは失礼な」

富井「すいましぇーん」ヘコヘコ

海原雄山「…私の息子が大変な恥をさらしてしまった。いや厳密にはもう親子ではないんだが」

勇次郎「気にしちゃいねーよ」

海原雄山「いつまでそこにいる気だ。目障りだ!うせろ士郎。この私に恥をかかせおって」

徳川(仲が悪いとは聞いていたがこれまでとは…まるで昔の勇次郎を見てるようじゃ)

山岡「……………………納得いかねえ」
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2017/08/14(月) 11:13:15.56ID:8WAEtzjg0
勇次郎「………………………」

海原雄山「これ以上恥をさらすな!さっさと消え失せろ」

山岡「…料理で勝負しろ」

海原雄山「料理人でもない相手に何を言っている!このたわけが!」

勇次郎「ほう…この範馬勇次郎に勝負を挑むか」

勇次郎「おもしろい!」ニタァ

勇次郎「この勝負、あんたの復帰祝いの前座にさせてもらうぜ。いいな徳川」

徳川「もちろんじゃよ。海原さんのメインの前に存分に盛り上げてくれ!」

勇次郎「復帰祝いは一カ月後の今日。テーマはそうだな…」

海原雄山(このままでは勢いで勝負に乗ってしまった範馬さんが恥をかく…なるべく差がつきにくい料理は…)

海原雄山「…スープなどいかがでしょうか。簡単なようでどこまでも奥が深い。私のメインの前に出すスープを作ってもらうのです」

勇次郎「…おもしれえ」

山岡「…望むところだ。一ヶ月後に吠え面かかせてやる!」

勇次郎「…待て」
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2017/08/14(月) 11:13:16.12ID:Tv91H0suM
イヤミか貴様ッ!!
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2017/08/14(月) 11:15:25.69ID:M4/AHOje0
2013年03月21日
海原雄山「この料理を作ったのは誰だぁ!!」範馬勇次郎「俺だ」
ttp://s2-log.com/archives/24539148.html

アフィまとめ完了です、1さん宣伝ありがとう。
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2017/08/14(月) 11:15:33.33ID:8WAEtzjg0
山岡「」ビクッ

山岡「なんだよぉ…」

勇次郎「俺は料理はしねぇ…」

山岡「はぁ?なんだよそれ」

勇次郎「代わりに俺の息子がやる」

山岡「なんだよ!逃げるのかよ!」

勇次郎「…勘違いするなよ小僧。あのガキにやらせるレベルのお遊びだってことだ」

勇次郎「それに俺の息子は強い。お前よりもな」エフッエフッ

山岡「ふざけんな!俺はお前が作った…」

勇次郎「俺にスープを作らせたきゃ力づくでやってみろッッ!!!」

山岡「」ビクッ

栗田「」ビクッ

海原雄山「」ビクッ

富井「そんなのむりだよぉ…」
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2017/08/14(月) 11:18:07.88ID:8WAEtzjg0
刃牙の家

勇次郎「ってことになった。だが安心しろ。お前はいつものままでいい」

勇次郎「むしろ姑息な技など使うな」

刃牙「いきなりそんなこと言われたって、相手はあの海原さんの息子なんでしょ?おれ簡単な家庭料理しか出来ないし…」

勇次郎「競うなッ 持ち味を生かせッッ!家庭料理しか出来ないのなら家庭料理を作ればいい。お前に作れるスープは何だ!」

刃牙「…味噌汁かな、いちばん自信があるのは」
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2017/08/14(月) 11:20:59.64ID:8WAEtzjg0
勇次郎「ならば味噌汁を作れッ!この勇次郎も認めた味だッ!」

刃牙「…え///」

勇次郎「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」

勇次郎「俺は晩飯のイノシシを捕ってくるッ!」玄関ガラガラバンッ!

刃牙「親父ィッッ」

勇次郎「どうした コーヒーか?」

刃牙「………玄……関……」

勇次郎「……ん?」

刃牙「そっと…閉めなきゃ」

勇次郎「…すまん」
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2017/08/14(月) 11:23:42.91ID:8WAEtzjg0
刃牙(それにしても俺が料理勝負だなんて…こんなこと想像もしなかった…)

刃牙(でもなんでだろう…)

刃牙「命がけのバトルみたいにすっげードキドキする〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」

刃牙「さて晩飯の支度でもするか。イノシシ鍋でいいかな?」

ぴんぽーん

刃牙「親父かな?さすがに早すぎじゃ…」

山岡「やあ初めまして」

刃牙「…?はじめまして…」

山岡「すぐそこですごい勢いで飛び出していくお父さんが見えてね」

刃牙「…はぁ、えっとどちら様…」

山岡「あぁ自己紹介が遅れたね。山岡士郎。君の対戦相手だ」
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2017/08/14(月) 11:26:49.35ID:Mq2/JDrZM
ハンターハンターの連載より楽しみだ
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2017/08/14(月) 11:27:09.20ID:8WAEtzjg0
バキ「じゃあ、あなたがあの海原さんの息子の…」

山岡「俺はあの男の息子なんかじゃない!!」

バキ「え?あぁごめんなさい。親父からそう聞いてたから…」

山岡「…取り乱してすまない。ただ俺はあの親父とは縁を切ったんだ」

バキ「…立ち話もなんですし良かったら中に入りませんか?」
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2017/08/14(月) 11:29:20.56ID:8WAEtzjg0
山岡(調理道具は普通。台所も、まぁ綺麗にはしているがこれといって特徴があるわけでもない)

バキ「山岡さん、コーヒーと緑茶どっちがいいですか」

山岡「こちらから押しかけてしまったのに申し訳ない。じゃあコーヒーをもらおうかな」

バキ「」サラサラサラ…

山岡(おまけにコーヒーはインスタントときてやがる…)

バキ「はいどうぞ」

山岡「………」

バキ「あ、砂糖とミルク!すいません気付かなくて」

山岡(あの小さいカップに入った紛い物のミルクを出すんじゃないだろうな)

バキ「どうぞこれ。コーヒーショップでいっぱい貰ってきたやつなんですけど…///」

山岡「……ありがとう」
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2017/08/14(月) 11:31:22.49ID:8WAEtzjg0
山岡(見たところただの高校生じゃないか…確かにがたいはいいが…)

山岡「君は料理人なのかい?」

バキ「え…いや、違います。…家庭料理くらいしか出来ないっていうか…」ハハハ

山岡「…それなのに俺と勝負するのかい?」

バキ「…まぁ親父が出ろって言ったし、その、俺の味噌汁を親父が認めてくれたから…」

山岡「親父さんと仲良いんだな」

バキ「和解したのはつい最近なんだけどね。それまではろくに顔も合わせない。むしろ殺してやりたいって思ってた」

山岡「…ッ!」

バキ「でも大喧嘩して、それでなんていうか家族になれたっていうか…」

バキ「ハハッ…何言ってんだろ俺…なんかごめんなさい…」

山岡「…俺は親父と仲が悪いんだ」
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2017/08/14(月) 11:34:11.96ID:8WAEtzjg0
山岡「母親を…あいつに殺されたんだ。鬼のような男だよ」

バキ「…ッ!」

山岡「俺はまだあいつを許せないけどね。」

山岡「君みたいに和解できる日がくるのかな」

バキ「なんていうか、俺たち結構似てるのかもしれませんね」

山岡「そうかもな…なんか毒気を抜かれちった。押しかけたお詫びになんか作るよ。今日の献立はなんだい?」

バキ「イノシシ鍋にしようかと…親父がイノシシ捕ってくるはずだから」

山岡「……………………………そうか。じゃあ鍋の出汁を作るよ」

山岡「バキくんは座ってて。お父さんが帰ってくるまでに作っちゃうから」
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2017/08/14(月) 11:38:22.27ID:8WAEtzjg0
勇次郎「ヤツが作った出汁がこれか」

バキ「親父もすぐ帰ってくるから一緒に食べようって言ったんだけど…」

勇次郎「…まぁいい。食べよう」

バキ・勇次郎「いただきます」

バキ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」

勇次郎「…ほう…でけえ口叩くだけあるじゃねえか」

バキ「イノシシの臭みを絶妙に消しながら、でもイノシシの味を限界まで引き出してるッ!」

バキ「口の中でイノシシの肉がシャッキリポンって舌の上で踊るようだ」

バキ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜うまいッ!!!!!!」
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2017/08/14(月) 11:41:25.50ID:8WAEtzjg0
バキ「家にある調味料でこんなにおいしく作れるなんて…」

バキ(俺は本当にこの人に勝てるのか…)

勇次郎「………………………………」

勇次郎「強くなりたくば喰らえ!!!」

バキ「」ビクッ

勇次郎「朝も昼もなく喰らえッッッッ。食前食後にその肉を喰らえッッ」
勇次郎「飽くまで食らえッッ。飽き果てるまで食らえッッ」
勇次郎「喰らって喰らって喰らい尽くせッッ!」

バキ「親父…ありがとう…」
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2017/08/14(月) 11:45:22.10ID:9cRqt4Hfp
なんJ出張所
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2017/08/14(月) 11:47:10.61ID:8WAEtzjg0
徳川光成復帰祝い当日
地下闘技場

徳川「史上最高の『料理』を食べたいか―――ッ!」

観客「オ―――――――――!!!」

徳川「ワシもじゃ、ワシもじゃみんな!!」

徳川「今日は海原さんの料理がたくさん出てくる。思う存分食べよう」

観客「アリガトォオオ」
観客「アリガトオオッ」
観客「サイコーだ〜〜〜〜」
観客「アリガトオオッ」
観客「アリガト―――ッ」
観客「アリガトオオッ」

徳川「だがその前に…今日はちょっとした余興がある」

徳川「究極のメニューの山岡士郎とご存じ範馬刃牙が料理対決をする」

観客「え〜あのバキが料理だって!?」
観客「あいつ料理なんか出来たのかよ」

徳川「お題はスープじゃ」

徳川「まずは山岡から作ってもらうかの」
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2017/08/14(月) 11:52:59.81ID:8WAEtzjg0
山岡「ご紹介にあずかりました山岡です」

山岡「本日は徳川さんの回復を祝ってスープを作らせてもらいます」

山岡の手つきは慣れたものだった
ふかひれや貝柱、金華ハムなどの高級食材をふんだんに使い贅の極みとも言えるようなスープを作った
限られた時間の中で効率よく作るために圧力なべも使った
制限時間内に30時間煮込むという矛盾。山岡はそれすら圧力なべでクリアした

山岡「栄養がつくように中華スープの佛跳牆(フォーティャオチァン)を作りました」

観客「うめぇぇぇぇぇぇ」
観客「こんなの初めてだッ!!」
観客「サイコーだ〜〜〜〜」
観客「アリガトオオッ」
観客「アリガト―――ッ」
観客「アリガトオオッ」

栗田「評価は上々ね」

富井「美味いじゃないか!なんていうか透き通ってて飲みやすいよこれ!」

花山「………」ずずずずずずずずずずずずずず

大原「なんて贅沢なスープなんだ」

烈海王「我々が2000年前に通過したはずの味なのに…」ズズゥ
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2017/08/14(月) 11:56:29.32ID:8WAEtzjg0
徳川「なかなかの評価じゃの」

海原雄山(チッ、あのばかミスをしたな。雑身がわずかだが出ている)

バキ「うわぁ…おいしい…体の底から力が湧いてくる。まるで14キロの砂糖水を飲んだときみたいだ」

徳川「美味しかったぞ山岡」

山岡「ありがとうございます」

徳川「じゃあ次はバキの番じゃな」

バキ「えっと…まずは徳川さん、復活おめでとうございます」

烈海王「徳川光成復活ッッ徳川光成復活ッッ徳川光成復活ッッ」

バキ「こんな美味しいスープの後に出すのもあれなんですけど…俺も一生懸命作るんで」

バキ「よろしくお願いします」

徳川「じゃあキッチンはこっちじゃ」
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2017/08/14(月) 12:13:07.96ID:Zgr652Jjp
徳川なら店貸切にするだろ
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2017/08/14(月) 12:16:32.03ID:8WAEtzjg0
バキ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」

バキ(ないッ!ないッ!ないッ!ないッ!)

バキ(調理器具もッ!冷蔵庫に食材もッ!どこにもないッ!)

バキ(なんでッ!こんなことがッ!)

観客「おい…なんかバキのやつ焦ってねえ?」
観客「ほんとだ。どうしたんだろう」

徳川「どうしたバキ。大丈夫か?」
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2017/08/14(月) 12:21:41.39ID:8WAEtzjg0
バキ「…大丈夫、です」

徳川「本当か?顔が真っ青だぞ」

バキ「…大丈夫です」

バキ(誰がこんなことを…いや、このキッチンに入ったのは山岡さんだけだ)

バキ(でも山岡さんがそんなことするわけない)

バキ(だけどここで材料がないと騒げば間違いなく山岡さんが疑われる)

バキ(俺はどうしたら…)



勇次郎「」ニタァ…
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2017/08/14(月) 12:26:06.54ID:8WAEtzjg0
(競うなッ 持ち味を生かせッッ!家庭料理しか出来ないのなら家庭料理を作ればいい)

バキ「そうか…これしかないッ!!」

いきなり空中でパントマイムのようなしぐさをするバキ

観客「あいつ何やってんだ?」
観客「頭おかしくなっちまったのか?」ザワザワ…

愚地独歩「あれは…おめえらには見えねえのか!」

観客「うそ…なんで…なんで何も持ってないはずなのに豆腐が見えるのぉぉ!?」
観客「慣れた手つきで豆腐を切ってやがるッ!」
観客「魔法みたい…」

愚地独歩「あれは…あいつの得意なリアルシャドーの応用かい…それにしても手慣れてやがる」

中川「あそこまで手慣れている料理人は美食倶楽部にもそうはいませんよ…」

中松警部「おい!出汁の良いにおいがここまで来てるぜ。どうなってやがる!?」

ブラック「あっしにも理解できないですぅ」

海原雄山「ほう…」



バキ「できましたッ!」
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2017/08/14(月) 12:30:50.85ID:8WAEtzjg0
なにもない。しかしここにいる全ての人間に見えている鍋からお玉で一杯味噌汁をすくう

バキ「どうぞ」

徳川「あちッ。ずずずずずず……〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」

徳川「うまいッ!!!」

バキ「よかった。皆さんもどうぞ」

岡星「なんて暖かい味なんだ。鬱で凍った心が溶かされるようだ」

栗田「まあなんて美味しいのかしら。豆腐が舌の上でシャッキリポンと踊るわ」

花山「…………………………」ずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずず

海原雄山「…素晴らしい。しかし家庭料理しか作れなかった君がなぜここまでの腕を…」

バキ「毎晩地下室でイメージトレーニングしてたんです。山岡さんの出汁のとり方は見てたからそれを参考にして」

海原雄山「はーはっはっは恐れ入った。君さえよければぜひ美食倶楽部に来てくれないか」

バキ「ごめんなさい。俺はグラップラーだから」

海原雄山「気が向いたらいつでも遊びに来るといい。どれ、私はメインの仕上げをしなければ」

バキ「ありがとうございますッ!」
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2017/08/14(月) 12:33:57.03ID:8WAEtzjg0
山岡「俺の負けだ。出汁のとりかた、具材、味噌の入れるタイミング。全てが完璧だ」

バキ「山岡さんのスープも素晴らしかったです」

山岡「いや、俺の負けだ。あのスープの味が濁ってることくらい分かってる」

バキ「…………この味噌汁は俺から山岡さんへのメッセージなんです」

山岡「…どういうことだい?」

バキ「この味噌汁は本当はありません。僕の調理過程を見たから脳が勝手にイメージしてるだけなんです」

バキ「でも見えなくても確かにそこにある」

バキ「俺は…海原雄山さんはこの味噌汁のように暖かい人だと思った」

バキ「山岡さんから見えないだけで、山岡さんを思う気持ちはだれよりも暖かい」

バキ「すいません…変なこと言っちゃって…」

バキ「…俺も母さんを殺された時は親父が憎かったけど、それも愛なんだって気付けたら優しい気持ちになれた」

バキ「山岡さんも分かりあえると思うんです、お父さんと…」
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2017/08/14(月) 12:36:58.96ID:8WAEtzjg0
海原雄山「さて、料理をしあげるか…」

海原雄山「…なんだこの料理は…私はこんなの作った覚えはないぞ!」

海原雄山「…」パクッ

海原雄山「うまい…」

海原雄山「この料理を作ったのは誰だぁ!!」

勇次郎「俺だ」クックックッ

海原雄山「なんだこれは、こんな料理食べたことがない…」パクッパクッ

勇次郎「なんてことはない」ニタァ

海原雄山「…バキくんの食材と調理器具を隠したな。なんであんなことを」パクッパクッ

勇次郎「たかだか1時間余りで蚊トンボを獅子に変化(かえ)る。勝利とはそういうものだ」

勇次郎「あいつは毎晩地下にこもって練習してたしな。せめてもの親心だ」

勇次郎「あいつの味噌汁は何にもない。だが心がある」

勇次郎「あれを飲んでどう考えるかはお前次第だ」

海原雄山「……………………」パクッパクッ
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2017/08/14(月) 12:40:10.28ID:8WAEtzjg0
海原雄山「士郎、お前しくじったなッ!あのスープは濁っていた」

海原雄山「あんなもの人に出して恥ずかしくないのかッ!!」

(あれを飲んでどう考えるかはお前次第だ)

海原雄山「………この後美食倶楽部に来い。手直しをしてやる」

山岡「………………………」

(山岡さんから見えないだけで、山岡さんを思う気持ちはだれよりも暖かい)

山岡「……分かったよ……………………親父ッ!」







勇次郎「」ニタァ    終わり
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2017/08/14(月) 13:19:24.07ID:Bbx1HjGBd
出会ってはならない組み合わせってこの世に絶対あるよな
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