――さて、ここから本題に入っていきたいと思うのですが、ゲオのほぼ全ての店舗では、Switchのような新品を取り扱う一方で中古も扱われていますよね。
 ゲーマーの間では「中古ゲームはメーカーに利益がいかないからよくない」という意見もありますが、もし中古ゲーム市場がなくなるとどうなってしまうのでしょうか。

海津氏:
 まず、弊社は運営が厳しくなりますね(笑)。新品と中古の売り上げ比率って、弊社では大体6:4ぐらいなんです。
 その上、弊社の場合は中古の利益をもとに新品を仕入れるので、新品の仕入れ量が減っていきますね。

――ゲームショップの数が今よりも減ってしまいそうだぞ、と。

海津氏:
 ゲームを売る店は家電店さんとEC【※】しかなくなっていき、リアル店舗が激減すると思いますよ。そうなると、今度はソフトの単価が上がっちゃいます。

片岡氏:
 メーカーさんも卸すところなくなっちゃいますし……絶対高騰しますよね。

――それは、多くのユーザーが知らない事実ではないでしょうか。実は中古市場が存在していることによって、むしろ新作ゲームの価格が安価に保たれているんですよね。

海津氏:
 ゲームソフト・ハード市場では、弊社みたいな小売店の売上が3〜4割ほどあるんです。もちろん一部は家電店さんみたいな大手小売店やECに流れますが、取扱い店が限られることによりゲーム自体が売れなくなっていくと思いますよ。

片岡氏:
 中古市場でいうと、住宅や車の世界と似てるのかなと思います。

――まさに中古車がこの世からなくなると、新車の価格が高騰するのと同じですね。ここは読者の納得がいかない表情も思い浮かぶのですが……(笑)、
 実のところゲームに限らず、他の産業でも普遍的にみられる現象だと思います。

海津氏:
 そういうこともあり、正式に裁判が終わってから15年が経った今、中古商売はメーカーさんから「扱いやがって」みたいに強く糾弾されることが、ほぼなくなりました。

http://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/170906