NVIDIAは,組み込み機器向けの開発キット「Jetson TX2」と,同製品ベースの開発者向けボードコンピュータ「Jetson TX2 Developer Kit」を発表した。
Jetson TX2は,Pascal世代のGPUコアが集積された新型SoC(System-on-a-Chip)「Tegra X2」を搭載する,世界初の製品だ。

ここでプロセッサを確認しておくと,Tegra X2は,64bit ARMv8命令をサポートするNVIDIA独自のCPUコア「Denver 2」が2基と,
同じく64bit ARMv8準拠のCPUコアである「Cortex-A57」を4基,そして256基の「CUDA Core」を集積したPascal世代のGPUを統合するSoCである。
 
ちなみにこれらの仕様は,NVIDIAが2016年8月に自動運転車向けSoCとして発表した「Parker」(開発コードネーム)と同じ。
NVIDIAがそう言っているわけではないのだが,Parkerの正式名称がTegra X2になったという理解でおそらく正しい。

Tegra X2以外にも目を向けてみよう。Jetson TX2に載るメインメモリはJetson TX1のLPDDR4 4GBからLPDDR4 8GBへと倍増。
さらに,メモリインタフェースもJetson TX1の64bitから128bitへと強化を果たしている。
 基板上に搭載しているストレージ用のeMMCチップも,Jetson TX1の容量16GBから32GBへと倍増となった。

 またNVIDIAは,Jetson TX2には「MAX-Q」(電力効率優先)と,「MAX-P」(性能優先)という2つの動作モードがあることも明らかにしている。
 MAX-Qモードで動作する場合,Jetson TX2の消費電力は7.5W以下,電力効率はJetson TX1の2倍になるという。一方のMAX-Pモードでは,Jetson TX2の消費電力は15W以下となり,Jetson TX1比で2倍の性能を発揮するとのことだ。
http://www.4gamer.net/games/049/G004964/20170307048/