http://news.denfaminicogamer.jp/interview/gameai_miyake/2
三宅氏:まあエンタメのAIなので、必ずしも本当のAIを作る必要はなく、当時はそれで良かったんです。ゲームが単純だった時代でもあります。
しかも、日本人はゲームのレベルデザインが巧みでした。欧米が「もっと頑張って自在にキャラクターを動かそう!」と挑んではおかしな挙動をしていた時期に、
日本は「うーん、引っかかるんだったら、動かさなきゃ良くない?」みたいな発想でどうにかしちゃって、しかもそれが巧みなんです(笑)。


――まあ、わかります(笑)。特に90年代までの2D時代のレジェンド級クリエイターの人って、言ってしまえばそういうトンチの利いた発想力が豊富な、才気煥発という感じの人がいますよね。


三宅氏:ただ、この日本人の「自分たちの出来ることで良いものを作ろう」という発想は良いところでもあり、悪いところでもあります。それが徐々に通用しなくなっていったのが、
まさに3Dゲームが本格的に普及して、ゲームが複雑化した21世紀に入ってからでした。「なんとかしてキャラクターを上手に動かしたい!」という北米の開発者たちの想いが遂に「パス検索」【※】などのテクノロジーに辿り着いたんです。
そのとき、遂にレベルデザインとAIは分かれざるを得なくなりました。ここから一気に形勢は変わり、欧米が日本を逆転していくことになります。