――『ラスト レムナント リマスタード』開発を決めたきっかけ、経緯を教えてください。

自分は、オリジナル版が発売された当時は、まったく別のプロジェクトに所属していたので、いちプレイヤーとしてプレイして「おもしろい」と思っていました。
自分がいま所属している部署はオリジナルタイトルも作りつつ、移植タイトルも検討する部署でして、いま、移植するなら何がいいかと考える中で、『ラスト レムナント』がPS3で出なかったことが引っかかっていたため、移植希望を出しました。
今回、幸いにも開発を引き受けてくれる会社が見つかったことも要因としては大きいです。

――スクウェア・エニックスは数々のRPGを手掛けていますが、その中でも、『ラスト レムナント』ならではの魅力はどんなところにあると思いますか?

2点あると思っています。ひとつ目は、まず見た目にインパクトのあるビジュアルです。街に巨大なレムナントがあるというビジュアルと、その世界設定はワクワクします。

ふたつ目はバトルです。集団vs集団という戦闘もさることながら、バトルコマンドが固定化されていないというのは、おそらくスクウェア・エニックスのゲームでも唯一ではないでしょうか?(間違っていたらすいません……)

――今回、ゲームエンジンを変更するなど、PC版からさらに手が加えられていますが、開発するうえで、どんなところに苦労しましたか?

いちばんの苦労は見た目ですね。我々は“思い出補正”と呼んでいるのですが、当時のプレイヤーの方にはとてもキレイな印象で思い出に残っているのに、実際のゲーム画面を見るとそうでもないと思ってしまうことが多々あります。
これは移植をする上で必ず起こるのですが、このタイトルもオリジナル発売から10年経っていて、ゲームユーザーの方の目が肥えているために起こる現象だと思います。

今回ゲームエンジンを変更し、ライト等の処理に手を入れることで、当時よく見えていなかったテクスチャの詳細が良く見えるようになったり、影がより自然になったりしています。
また、自然物の一部はテクスチャを変更して、なるべく最近出ているゲームのクオリティーに近づける作業をしました。これらの作業によって、思い出補正に負けない見た目になったと思います。

――リマスター版をプレイする人に、とくに「ここを見てほしい」と思うポイントはどこですか?

初めてプレイする方には、ひとまず新しいRPGを楽しむ気持ちで物語を追っていただければ、十分に楽しんでいただける作品だと思います。
おそらくバトルはちょっとややこしいと感じると思いますが、プレイするうちにコマンドの使い方がわかってきて楽しめるようになるはずです!(強く押したいところ)

オリジナル版をプレイした方は、ぜひ過去の思い出と比べてみてください。当時の思い出と同じように感じるなら、我々としては成功です。
また、とても大ボリュームなゲームなので、当時、物語のエンディングは見たけどクエストを全部
終わらせていない、というようなことがあると思います。今回のリマスター版でフィールドを少し速く走れるようにしましたので、ぜひこの機能を使ってオールクリアーを目指していただければと思います。
https://s.famitsu.com/news/201812/06168605.html