楽欲の僧院 オーボンヌは“松野節”が山盛りに!


吉田 今回の物語は、いろんな意味合いがあると思っています。
たとえば、『ファイナルファンタジータクティクス』に端を発するイヴァリースアライアンス
(イヴァリースと呼ばれる共通の世界観を持った作品群)の根幹部分を、
いまの松野さん(松野泰己氏。リターン・トゥ・イヴァリースのシナリオを担当)がどう捉えているのか。
あるいは、その当時を踏まえたうえで、
現在あらためて解釈されている各要素がどう作中に集約されているのか……。

──おお!

吉田 松野さんの大ファンの方も、テキストを一字一句見逃せないはずです。
また、たとえば聖石にまつわる松野さんなりの解釈というか答えも、きちんと表に出ています。
キャラクターの掘り下げについても同様です。
プリマビスタの大道具部屋にいる各NPCのセリフも、本当に細かく、
かつ丁寧に移り変わりますし、そこにまた物語の伏線が隠されていたりもします。
これらを見落としてしまうのは、本当にもったいないと思いますので、
くまなく読まれることをオススメします。

──これまでと同様、シーンが切り替わるたびに周辺のNPCに話しかけたほうがよさそうです。

吉田そうですね。
ゲーム進行に必須ではないところに、松野さんならではの“獅子戦争観”もあり、膨大なテキスト量です。
僕個人としてうれしさを感じるのは、
『FFXIV』のハイデリンという世界に存在する設定、物語、キャラクターを松野さんが大切にしてくださり、
その上に本作ならではの“イヴァリース”を重ねて創造されたところです。

──ほかにも隠し玉的な要素があるとのことですが、それは何でしょう?

吉田 マンダヴィル・ゴールドソーサーに、ドマ式麻雀が実装されます。

──麻雀ですか!

吉田 超本格的なオンライン麻雀になります。
プレイヤーどうしで4人打ちもできますし、コンピューター相手にソロで勝負することも可能です。
とあるメーカーさんのエンジンを組み込んで、
1年くらいかけて準備を進めてきました。
サポート機能も動いているので、遊びながらルールを学べる作りになっていますし、細かなルールブックもご用意してあります。
パッチを遊び尽くしてヒマになったら、仲間で打っていただいてもいいですし、麻雀を覚えるというのも一興かなと。

──それにしても麻雀とは驚きました。

吉田『FFXIV』をさらに発展させ、より多くの人に“いろいろな遊びかた”をしていただくのであれば、
MMORPGとしてだけでなく、”オンラインゲーム”として、
もっと世にあるものを取り込んでしまってもいいのではないか、と考えました。

──確かに。

吉田『FFXIV』で仲よくなった人どうしで、コンテンツをいろいろ消化して、「ちょっと暇になったね」という頃合いに、
「よし、みんなで麻雀やろうか!」と思った場合、いままではほかのゲームに行かなければなりませんでした。それなら『FFXIV』で叶えてしまえば、ゲームをふたつ起動する必要もなくなりますし……。
という、案外単純な発想からなのです(笑)。
https://s.famitsu.com/news/201812/26169911.html?page=2