――「モンスターハンター:ワールド」が1000万本とブレークしました。

 RPGではなく、言葉が不要なアクションゲームということも大きかったと思います。
私が印象に残っているのは、昨年12月に開催された「プレイステーションアワード」で、ライバルであるはずの他のクリエーターが、同作のヒットを自分のことのように喜んでいたことです。
日本の作品も世界でヒットするチャンスがあることを証明してくれたからですね。

 ――言い換えると、日本のクリエーターは、世界的なヒットを生み出せていなかったと。

 心のどこかに「携帯ゲーム機の国」というのがあったと思います。これまで日本で売れていた携帯ゲーム機のソフトは、世界市場では市場規模的に3割もなく、主流はハイエンドの据え置き型ゲーム機です。
日本で売れても、海外では評価されないという構図でした。近年は「ニーア オートマタ」や「仁王」など据え置き型ゲーム機のソフトが世界で売れていました。
クリエーターが「頑張れば、世界でいけるんじゃないか」という思いがあったと思います。

 ――なぜ日本のゲームが世界で再び評価されたのでしょうか。

 日本は、マンガやアニメの国でもあり、世界で売れていた(射撃系の)シューティングゲームを作らず、RPGを好む傾向があります。
ゲーム業界の世界的な流れとは違うわけです。
ただ最近は、世界的に戦場で人を殺す同じタイプのシューティングゲームばかり出ていて、その反動が来ていることもあると思います。(2へ続く)
https://mantan-web.jp/article/20181227dog00m200023000c.html