https://twinfinite.net/2019/04/amy-hennig-future/


クロアチアで行われた2019年の開発者向け会議に出席した
エイミー・ヘニングが今後のゲーム業界に対する展望を率直に語った。
EAを退職後、現在は個人で活動しているという彼女は
業界の内情について詳細に話し、注目すべき発言をしている。


まずヘニングはアンチャーテッド4の開発人員が「――1」の2倍にまで膨れ上がっていたと述べると
God Of Warの第1作目と最新作、インソムニアゲームズの10年前の作品とスパイダーマンの開発者数を
比較した場合でも同じことが起きていると解説。
多くの開発会社が社員を二倍に増やすか、それに近い数の拡大を行っていると現状を説明した。


一方、彼女は一本のゲームを完成させるための人員が増加する反面
ソフト販売価格は以前と全く変わっていないことを問題視。
現在ゲーム業界で起きている多くの問題も、ここから生じていると分析している。
価格が変わらないまま開発作業が拡大したため、業界内では様々な部分でひび割れが生じているのであり
もし価格が上がるなら、物事はかなり円滑に進むだろうと述べていた。


もっとも、そうした厳しい状況ながら近年のGaaS、すなわち箱型課金も含め
ソフト購入後もユーザーの消費を促進する試みが企業の体力を回復させつつあるのも確かだ。
だが、ヘニングはこれにも手厳しい評価を下した。
彼女はこれを「Game Stop現象」と定めると、GaaSを推し進めれば推し進めるほど
シングル専用ゲームや有限的な内容のソフトは中古で購入しようというゲーマーが増えるはずだと語っている。


そのうえでGaaSはソフト価格に対する一種の幻想を生み出し、
事実、我々は今のゲーム市場で売り出されているマルチプレイゲームが
最終的にいくらになるのかまったく分からないでいると考察している。
またヘニングによれば、こうした事情からマルチプレイゲームは
中古市場にはあまり出てこない傾向があるらしい。