高橋氏:
 JRPG――ここではあえてJRPGって言い方をしますが,このジャンルのセールスの限界値ってどのくらいだと思いますか。
実は最近ずっとこれを考えてまして,自分の中では200〜300万本くらいのところに高い壁があるイメージなんですけど。

原田氏:
 ……うーん,僕は「テイルズ オブ」シリーズにおけるワールドワイドでのマーケティングも担当してきて,
現在はそれらの開発責任と収益責任を担う部門の部長でもあるんですが,その経験から言うと,まずミリオンの段階で1段階目の高い壁があると感じます



高橋氏:
 その壁を越える方法をずっと探しているんですよね。

原田氏:
 可能性があるとすれば……例えば「ファイナルファンタジーXV」の事例※でしょうか。
オープンワールドの仕組みにせよグラフィックスにせよ,あれは最新のテクノロジーの集合体じゃないですか。
欧米圏,とくにアメリカのゲーマーは,そういった最新のテクノロジーベースにビビっとくるみたいで,これは一つの突破口になりうるんじゃないかと。
僕はテクノロジーというのが,一つのキーワードだと思っています。

高橋氏:
 それは確かに,一つの答えだと思います。でも現実問題として予算は限られるわけで,
僕らはその中で表現できるものを見つけなくちゃならない。そう考えたときに,
テクノロジーに特化した作り方ができるかというと,絶対に無理なんですよね。それに代わるフックが何かないかと,ずっと悩んでいるんですが……。