0001名無しさん必死だな
2020/05/25(月) 01:40:54.63ID:Tl8JT/Cid■経営方針説明会に登場した“アニメ”
5月19日に発表されたソニーからソニーグループへの社名変更と、同社のファイナンス事業の完全子会社化は、20年5月決算発表シーズンで特に大きなニュースでした。
ニュースの核心は家電・AV・カメラ・モバイルなどを映画や音楽、ゲーム、金融を並べ、エレクトロニクス事業を祖とするソニーがメーカーの看板を下ろしたことでしょう。
あらゆるジャンルを抱えるコングロマリットであることを示しました。
大きなニュースに隠れて目立たなかったのですが、ソニー関連では、アニメ関連にも大きな動きがありました。
同日に社長兼CEO吉田憲一郎氏が行った「2020 年度経営方針説明会」にて“アニメ”が、大きくピックアップされたことです。
説明会では主要各事業の戦略に触れましたが、そのひとつに“アニメ”がありました。
他の事業は“ゲーム&ネットワークサービス”“音楽”“映画”“エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション”“イメージング&センシングソリューションズ”“金融”の6つです。いずれも決算開示では事業セグメントとしています。
しかし“アニメ”はこうした事業セグメントではありません。かなり特殊な扱いです。
そもそもアニメ関連事業は、“音楽”“映画”さらに“ネットワークサービス”と複数の事業セグメントにまたがっています。
■“アニメ”がビッグビジネスでなかったわけ
そもそも“アニメ”と呼ばれる日本アニメは産業というには、他の分野と較べて小さ過ぎます。周辺産業を含まない映像としての国内市場は約2400億円に過ぎません。
アニメは放送局、映画会社、ゲーム会社などの大手企業のなかで手がけられることもありますが、売上高は数億円から数百億円規模で、巨大企業のビジネスのなかでは小さな一部に過ぎません。
決算・業績開示でも言及されることはほとんどありません。アニメ産業がブラックボックス化する理由のひとつです。
ソニーにとっても同様です。近年アニメのスマホアプリゲーム展開で急成長したソニーミュージック傘下のアニメ会社アニプレックスは、現在こそ2千億円規模の売上ですが、10年前はやはり数百億円の売上でした。
日本のアニメ産業は中小企業の集まりで、産業のなかでも傍流とみられがちでした。それこそが人気の高さに比べて世界でビジネスが大きくならない理由でもありました。
■世界でトップクラス、ソニーのアニメ事業
では連結決算で8兆2000億円もあるソニーが、なぜ今回わざわざアニメに言及したのでしょう。
ひとつは、アニメが今後のソニーのビジネスモデルになりえるからかもしれません。
ジャンルを超えたコングロマリットとして「One Sony」を掲げるソニーにとって、セグメントをクロスオーバーするアニメはひとつの理想です。
ソニーはこれまでセグメントの分れた企業間の連携が不充分、シナジー効果が発揮できていないと指摘されてきました。
もうひとつはアニメ市場の成長性と、その中でのソニーのポジションの強さです。同じエンタテイメント分野である映画、音楽はソニーの大きなビジネスですが、競合企業も強く、大きく、タフな市場です。
一方ソニーは、アニメ市場は過去5年で約1.5倍の膨れ上がり、市場の約半分が海外にあるとします。
そのなかでグループ会社アニプレックスは国内ではトップクラス、北米でファニメーションが業界1位、オーストラリア、英国、フランス、ドイツでも存在感があります。
さらに中国企業のビリビリに出資しました。ビリビリは日本アニメ配信の中国最大手、日本アニメを題材にしたアプリゲーム「Fate/Grand Order」で急成長しています。ソニーはかなり優位なポジションにいます。
エンタテイメントのマーケットは今後も成長が期待されますが、特に中国をはじめとするアジア市場での開拓が鍵になります。地域で人気の高い日本アニメは、ディズニーといった他のエンタメ企業にない強みです。
さらにアニメはグッズやゲーム、音楽、イベントと結びついた総合エンタテインメントです。このメディアミックスビジネスの仕組みこそが日本の強みです。
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