ガンホー、ご長寿「パズドラ」が生む海外攻略の好循環
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ガンホーが有望なゲームとして期待をかけるのが、20年6月に「ニンテンドースイッチ」向けに投入した「ニンジャラ」。
森下一喜社長自らがゲームデザインなどを担当した肝煎りの新作だ。リリースと同時に世界中からアクセスが集中し、
一時的にサーバーがダウンするほどだった。配信開始翌日にダウンロード数は100万に達し、10月下旬には500万を超えた。

ニンジャラは据え置き型のゲーム機では珍しい「F2P(free to play)」と呼ばれる、基本料金を徴収せずにアイテムの
課金収入で稼ぐビジネスモデルだ。パズドラと同様に無課金のユーザーでも時間をかければ楽しめる仕様にすることで
ユーザー層を広げ、次第に課金収入につなげていく。パズドラのノウハウを生かし、新ステージや新たなルールの追加
などアップデートを繰り返しながら長く運営することで、安定した利益貢献を見込む。

売り切りモデルの家庭用ゲーム機向けソフトは発売後にすぐに開発に投じた資産を減価償却するケースが多いのに対し
「ニンジャラは発売後2年ほどかけて売り上げに応じて減価償却する」(高山和正経営企画部長)ため、発売直後の一時的な利益の落ち込みが少ない。

グローバルのゲーム会社をめざすガンホーにとって、ニンジャラは重要な役割を担う。森下社長は「全世界でサービスを
しているなかで、ダウンロード数が一番多い地域は北米」と明かす。日本では低年齢層ユーザーが多く、ゲームに払う
アイテムなどの単価が低いのが課題だが、ヘビーユーザーが多い北米での課金収入が下支えしているようだ。エース経
済研究所の安田秀樹氏は「ゲーム単体としての売り上げは損益分岐点を超えているのではないか」とみる。