(一部抜粋)

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(以下、劇場版)の1月3日までの累計観客動員数は2548万人。興行収入(興収)
は歴代最高の346億円を記録している。

興収とは入場料の総額。その約半分が上映した映画館に入る。1月3日現在、各映画館には約173億円が入った
ことになる。映画館の取り分を引いた残り約173億円は配給収入(配収)と呼ばれる。ここから、まず約20%が
配給会社に入る。劇場版の場合、金額にすると約34億6000万円。配給会社は東宝とアニプレックスで、それぞれ
の取り分は推定約17億3000万円ずつと見られる。

アニプレックスという会社の存在はアニメファンならずともご存じではないだろうか。アニメの制作や映画館への
配給、テレビ局へのアニメ番組の販売などを行っており、『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』(2005年)
や『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』(2012年)などの制作にも携わってきた。設立は1995年で歴史は浅いが、
ヒット作を次々と放っており、アニメ界の一大勢力と化している。

 同社はソニー傘下のソニーミュージックグループの一員だ。『鬼滅の刃』の歌姫と言えるLiSAが所属する
芸能プロダクション、ソニー・ミュージックアーティスツもグループに属する。さらにLiSAの作品を発売する
レコード会社もやはりグループのソニーミュージック。各社の収益はもちろんソニーの決算に反映される。