日曜の朝、都内某所
ゲーム愛好家たちが集まる小さなサイトのCSゲーオフが開かれようとしていた
集合時間10分前、既に来ているメンバーは7人
その輪の中へ、俺は愛機のニンテンドースイッチで飛び込んだ
「おはよう!ニンテンキッドです!今日はよろしく!」
元気よく自己紹介する
「…あ、おはようございます」
「ニンテンキッドさんって高校生なんですよね?若いですね…」
なぜか皆の視線が泳いでいる

「遅くなってスイマセ〜ン!」
PS5を持ったオッサンが大きな声を出しながらやってきた
「幹事のプレステオヤジです。今日は皆さんよろしくお願いします」
この人が今回のオフの主催者であり、サイトの管理人でもあるプレステオヤジさんだ
「あ、どうも!ニンテンキッドっす。よろしく」
俺が挨拶をすると、プレステオヤジは眉間にシワをよせて、俺とスイッチをジロジロと見てきた
「え〜っと…ニンテンキッド君だっけ?君さぁ、今日なにをやるか知ってる?」
「え…?サイパンをやってその後にGTAVをやるオフっすよね?」
「うん。で、君のゲーム機…それ携帯ゲーだよね?」

何が言いたいのかわからない。愛機を携帯ゲー呼ばわりされてイラっときた俺は言った
「何が言いたいんスか?」
「CPUパワーすごい必要なんだけど…携帯ゲーじゃキツいよね?」
「…大丈夫っスよ!ドックに刺せば皆さんに迷惑かけないくらいのヌルヌル感は出ますし」
爆笑の渦が起こった。そしてプレステオヤジは苦笑いしながら言った
「携帯ゲーは重量級ソフトを走らせちゃダメなんだよ。それにそのGPU見てごらん」
仕様を見る。そこにはHDを30FPS出すのが限界の事実があった
「重量級ソフトはせめてフルHDを60FPSくらいでやらなきゃもったいないからね。君の携帯ゲーじゃやる価値ないよ(苦笑」

俺は泣きながら家に帰ると、そのまま枕を濡らして眠ってしまった
目を覚ますと午後10時、3DSの電源を入れてあのサイトを覗いてみる
そこの掲示板には、今日のCSゲーオフを楽しそうに振り返るメンバーたちの書き込みがあった
俺は偽ハンドルネームを使って『プレステオヤジ臭ぇんだよ!死ね!』と書き込む。

すぐに管理人からのレスがあった
『ニンテン君だね。当サイトのルール通り、君をアク禁にします』