映画版『モンスターハンター』 - レビュー
主人公はモンスターハンターであるべきではないのか?
by Zaki Hasan

単刀直入に言おう。映画版『モンスターハンター』はゲーム史に新たな汚点を残す作品だ。
2020年に公開されたパラマウント・ピクチャーズの『ソニック・ザ・ムービー』が、大方の予想に反して家族で楽しめるおおむね素晴らしい映画化となっていた事を考えると、本作ももっと優れた作品になり得たのではないかと思えてならない。
銀幕でのソニックの活躍を見れば、ゲームの映画化という悪評高いジャンルにも明るい未来が待っていると期待する人がいても無理からぬ事だろう。
しかし、ポール・W・S・アンダーソン監督による映画版『モンスターハンター』は、名作ゲームの看板に泥を塗るひどい映画化であり、優れたゲーム原作映画という存在がどれほど貴重であるかをあらためて思い知らされる作品になってしまっている。

(略)

総評
映画版『モンスターハンター』の上映時間は実際には1時間30分強だが、物語を貫く主題となるものがなにもなく、盛り上がりに欠けてだらだらと進むし、意義深い世界観の構築もなされていないストーリーに耐える時間はその2倍くらいに感じられる。
本作のような長年にわたって愛されている人気ゲームシリーズを原作とする映画作品ではシリーズ化を狙う動きが間違いなくあるはずだが、
感情を揺さぶられたり知的満足感を覚えたりするような結末ではなく、露骨に続編に向けた下準備を意図している本作の恥知らずなエンディングを見る限り、そうした望みが実現する見込みは薄いだろう。
2020年代にこんなことを言うことになるとは思わなかったが、本作は『ソニック・ザ・ムービー』のような作品にはまったくなっていない。
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