ソニーグループの2020年度(2021年3月期)通期連結決算が28日、発表されました。各メディアは、最
終的なもうけを示す「当期純利益」が約1兆円を超え、売上高、本業のもうけを示す営業利益と合わせて
、いずれも過去最高になったことを取り上げました。ですが、決算の記事を書く記者やライター泣かせ
でした。
記事にするには、読者に伝わるようより具体的な事例が好まれるのです。そうなると、世界的な品切れ
状態にある新型ゲーム機「PS5」のヒット、アニメ映画「鬼滅の刃」の社会的ブームを理由にすると、
読者は「なるほど!」となります。見出しも立つし、バッチリなのです。
 しかし困ったことにPS5は、売上高には貢献していますが、利益への直接的な貢献はゼロどころかマ
イナスです。理由は単純で、製造価格よりも安く売っている「逆ザヤ」(戦略的価格)のためですね。
要するに、ソニーグループの「過去最高益」と、「PS5のヒット」を合体させると、事情が分かる人が
見ると「え〜?」となるのです。
 「鬼滅の刃」も、ソニーグループの最高益に貢献しているのですが、音楽事業の中の三つめの主要因
になります。アニメビジネスを計上する音楽事業では、ストリーミングサービスや映像メディアのプラ
ットフォームの増収の方が大きいのです。
 

https://news.yahoo.co.jp/byline/kawamurameikou/20210430-00235545/