もう一つ言えば、かつてのE3は、任天堂とSIEがそろうため、任天堂が出展しない「東京ゲームショウ」よりも、上の雰囲気がありました。任天堂がゲームショウでブース出展をしたのは2001年春の1回だけで、しかも携帯ゲーム機のエリアでした。季節外れの雪が降る中、任天堂の広報に「寒いですね」と言いながら取材したことを覚えています。そのときに同社から「今回の出展は特別だから」と言われました。「なぜ任天堂はゲームショウに出展しない?」「今回出展した理由は?」と質問すると、さらりと答えてくれたのですが、ここでは割愛します。今のE3は、ゲームショウと同じで、“両雄”がそろっていません。

E3の復権は、ゲーム業界が一枚岩になれるかにかかっています。それとも、従来のあり方が見直されて、新しい動きになるのでしょうか。いずれにしても、各社が歩調を合わせない限り、ゲーム業界全体のメッセージが社会に届けづらいのは確かです。来年のE3がどうなるかも含めて、注目したいと思います。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kawamurameikou/20210620-00243721/