7月27日、「Microsoft Flight Simulator」がついにXboxにも届けられた。28日0時からは日本でもサービスを開始し、Xbox Series X|Sユーザーは、パッケージ、ダウンロード、あるいはXbox Game Pass、様々なルートを介して世界のフライトを愉しんでいることだろう。

 今回はXbox版の発売を記念して、開発ヘッドのJorg Neumann氏にインタビューを行なった。PC版とXbox版の内部的な違いを皮切りに、今後のアップデート計画までひととおり質問を重ねてみた。昨年からフライトシムを愉しんでいるコアユーザーも、今日からフライトを楽しみだしたXboxユーザーもぜひお楽しみいただければと思う。

――前回のTokyo Game Show 2020でのインタビューから10か月が経過しましたが、これまでのアップデートについてどの様に評価しているかを教えてください。

Jorg Neumann氏: 前回のインタビューで特に記憶に強く残っているのは、日本語化についての質問でして、ローカライズの動きが本格化したのはGAME Watchさんから是非に、といった内容のコメントを含めて、多くのフィードバックが私たちに届いていたからなのです。当時の私たちにそうした刺激を与えてくださったことに、私はもちろんのこと、開発チームもとても感謝しています。

 さて、これまでのアップデートに関してですが、幸いなことに成功を重ね続けているといえます。当初の目的のひとつであったひと月ごとの文化圏単位でのワールドアップデートを含めた各種アップデートですが、日本のワールドアップデートを皮切りに米国、イギリス、アイルランド、北欧地方のアップデートが実装され、私の率いるチームは現在、次なるワールドアップデートの舞台となる予定の ドイツ に注力をしています。

 こうした地域ごとのアップデートの裏には、各地で『Microsoft Flight Simulator』を楽しんでいるファンの皆さんにピンポイントに、かつ今後の有望な潜在的なファンも含めてあまねく触れていきたかったから、という思いがありました。

 例えば、日本のように航空業界が非常に身近な国もあれば、そういった文化がまるで存在していない地域も世界のいたるところに存在しているのです。ピンポイントに地域を指定し、そこに集中してアップデートすることで彼らに私たちの取り組みを意識してもらい、ゆくゆくは空を自由に突き進む飛行機の美しさや魅力を伝えられるよい機会になったらと考えています。

 そのためには、彼らの住む世界を可能な限り忠実に、そしてアクセシブルにしていく必要があると私たちは考えてきました。またまた日本を例としますが、日本が舞台のワールドアップデート以降、国内におけるプレイヤー数は驚くほど増えており、私たちチームはアップデートの結果に大きな喜びを感じています。今ではなんとミッションの作成などを通して国内のフライト魂に火を灯す大きな役割を担っている日本のコミュニティまでもが生まれているようで、私たちの目指す場所に共に進んでくれる同志たちの登場に感動しています。

――Xbox版は、初代Xbox Oneから、Xbox One S、Xbox One X、Xbox Series S、Xbox Series Xと5つのプラットフォームへのサポートを表明していますが、内部的にいくつのバージョンがあり、ゲームの表現にどのような違いがあるのでしょうか?

Jorg Neumann氏:  今回は内部的には2種類のバージョンをご用意しています。まずはXbox Series Xですが、こちらはフルネイティブ4Kで動作させており、Xbox Series Sでは1440pでの動作から必要に応じてアップスケールをさせています。こうした違いはあれ、どちらのバージョンでもプレイ中は差異にはほぼ気づかないと思います。コンソール機に向けての展開を行うにあたって、私たちの初志はPC版となんら変わりないものか、それよりも優れたものを準備する、という分かりやすいものでしたが、これはどちらのバージョンを遊んでいただいても分かりやすく体験いただけると私は思っています。実際、これまでに公開されたトレーラーの全てがコンソール機向けの本作でのゲームプレイ中に数シーンを切り抜いただけのものなので、実際にプレイしたときもあの通りの体験が皆さんを待っていますよ。

https://asset.watch.impress.co.jp/img/gmw/docs/1340/662/jor_06_l.jpg

https://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/1340662.html