一方でOLEDモデルは,大変な人気である。メルカリでも,4万円半ばの値段で取引されている状況で,任天堂の価格設定を大きく上回っている。

 ここで,少しまとめよう。

 検証の結果

(1)OLEDモデルは,Switchの別モデルではなく,上位機種だと顧客には認識されている
(2)5000円の価格差は,顧客には誤差と見られていて3万8000円のOLEDモデルは格安だと認識されている

 ことが分かった。

 つまり,エース経済研究所で提唱している“形”仮説通りの現象が起こっていると考えて良さそうである。性能の向上や,機能付加よりも,外見の変更のほうがユーザーの購入に対する感応度が高くなるということだ。これまでの常識を覆す仮説なので発表時には受け入れ難いとの反応をここでもいただいたが,“形”仮説はかなり正確なのではないかと考えている。

 となると,次回のマイナーチェンジや次世代機ではデザインとスタイルに相当注視する必要があると思う。任天堂は現在,圧倒的に優位なポジションにあるが,デザインとスタイルを軽視すれば簡単に転げ落ちてしまうようなものであることを“形”仮説は示しているからだ。
 古川社長には,ぜひこの点を注意してもらいたいと思う。ソニーグループと違って,私の意見を参考にしてもらえると思うからこその提言である。