HD(高解像度)に対応するために

ゲーム開発のなかで、背景に置かれている小物のことを私たちは「オブジェクト」と呼んでいます。
オブジェクトをデザインする仕事は、少し注目されにくいかもしれないのですが、「どうぶつの森」シリーズに登場する「家具」というオブジェクトは、プレイヤーがその家具に触れて遊ぶことができたり、手に入れた家具で自分好みの部屋をしつらえることができたりするなど、とても重要なアイテムになっています。

私は、家具を制作するデザイナーのリーダーとして、『あつまれ どうぶつの森』の開発に関わることになったのですが、Nintendo Switchで発売される新作ということもあって、高精細な画面に対応するため、数百種類近くの家具を一から作り上げることになりました。

HDに対応する家具を作るには、時間も手間もかかります。そこで、今までのシリーズよりも多くの人数で対応することになり、モデリングは協力会社さんにもお願いをしました。

HDになったことで細部まで見えるようになったため、その家具に詳しいお客様が違和感を覚えないような、細かなデザインが求められました。しかし、リアルにすれば良いということではありません。「どうぶつの森」の家具作りで重要なのは、家具ごとの個性を守りつつも、世界観に合った、全体でまとまりのあるデザインにすることです。そこで、アートの指針を言語化した資料を作成し、協力会社のスタッフの方も含めて、「どうぶつの森」の家具デザインにおける大事なポイントを共有できるようにしました。
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