これまで散々ネタにされてきた『アーマード・コア』シリーズの新作が、ついに発表されたことで、ネット上はお祭り騒ぎに。

しかし、そんな盛り上がりを見てふと感じてしまうのは、一体どれくらいの人が「アーマード・コアの新作」を買うのだろうか…という疑問だ。

アーマード・コアの新作が出る!

一昔前は『フロム・ソフトウェア』の代表作といえば、間違いなく「アーマード・コア」シリーズだった。

だが、いつの間にか『shoppingmode DARK SOULS』シリーズや『shoppingmode Bloodborne』といったゲームのイメージが強くなり、世界中で大人気に。

そしてその集大成と言える『エルデンリング』が今年2月に発売され、同作は『The Game Awards 2022』の『Game of The Year』にも選ばれた。

一方で「アーマード・コア」シリーズは“なぜか続編が出ないゲーム”という側面が有名になり、もはやゲーム自体よりも「身体は闘争を求める→アーマード・コアの新作が出る」といったインターネットミームの方が知られているほど。

そんな中で本当に「アーマード・コアの新作」が発表されてしまったのだから、ネット民たちの異様な盛り上がりも仕方ないだろう。

発表された新作のタイトルは『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』。世のゲーマーたちは、まるで売上1,000万本突破確実の超ビックタイトルの続編が発表されたかのような盛り上がりを見せている。

とはいえ「アーマード・コア」は、そこまで大衆に好まれるようなゲーム性の作品だっただろうか?

時代に逆行するマニアックなゲーム性

まず同シリーズで特徴的なのは、操作の難しさ。『アーマード・コア 4』以降はそこそこ改善されたものの、どちらかといえば“操作性の悪さや難しさ”を楽しんでいたような節がある。

そして「アーマード・コア」と呼ばれる巨大ロボットのカスタマイズを楽しむのも同シリーズの醍醐味だが、パーツの種類やステータスの項目がやたらと多い。

手足や武器だけでなく、ジェネレータや火器管制システムなどもしっかり各パラメータを理解してカスタマイズしなければ、強いACは作れない。

たとえば、いい感じのブースターを積んでいるのにジェネレータのEN容量がへなちょこ過ぎてちょっとしか飛べない! なんてことも初心者の頃はざらにある。

いずれの要素も、ステータス画面や操作方法がどんどん簡略化していく昨今のゲームと逆行するようなマニアックさだろう。

ちなみに今までに「アーマード・コア」シリーズで、売上50万本を超えたタイトルはない。

あれだけ騒がれているにもかかわらず、SNSなどでは《アーマード・コアはあまりやってないのよね、実は》《アーマード・コアは2あたりを友達がやってるの横で見てた程度》《アーマード・コアの新作が話題になってるけど、10年くらい前に中古で買って一度もやってないわ》《アーマード・コアの新作嬉しい! シリーズやってないけど》と“未経験者”が多数いるのだ。

実際にゲームが発売されれば、現在の「フロムゲー」のイメージで挑戦し、心を折られてしまう人が続出する可能性も…。

累計1,000万本を軽く超える大ヒットとなった「エルデンリング」のように、予想を裏切る成功を収めてほしいところだ。

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