【月間総括】誤った常識「高性能,独占,安価が素晴らしい」に陥り,抜け出せなくなったPS5とSIE
https://jp.gamesindustry.biz/article/2404/24043001/

今月はコンシューマゲーム市場について述べたい。コンシューマゲーム業界の状況が
悪化しているのは,Sony Interactive Entertainment(以下,SIE)とMicrosoftがゲーム
ビジネスの本質を理解してないからだと筆者は考えている。その根拠は,ゲーム機が
売れる要因について因果性を考慮せずに,思い込み(バイアス)だけで経営している
ように見えるためである。今回もゲーム業界に蔓延している思い込みについて話したい。

 その思い込みとは以下の3点である。

(1)ゲーム機は性能が高ければ売れる
(2)ゲーム機は独占ソフトがあれば売れる
(3)ゲーム機は安ければ売れる

 これらは当たり前に,ゲーム業界の常識として語られてきたが,(1)と(2)については,
多くの人が懐疑的になっている。そのことも含めて話していこう。

 まず,「性能が高ければ売れる」について,Switchが世界を席巻している現実を見て
いる人は,理解してくれるだろう。かつて1億台以上を販売したニンテンドーDSやWiiの
成功はギミックのおかげといった見下した論調がメディアやSNSには多かった。だが,
Switchは正統派のハイブリッドゲーム機であり,WiiやDSのような変化球での成功では
ない。こうなると性能と販売に因果性はおろか,相関性もないのは明らかだ。未だに
性能と販売を結びつける人がいるのは驚きである。