あーーーーっ! 生まれたくなかった! ずっと、無のままで、居たかった!

無は、マジで最高だった。 
真の平安、満ち足りた状態、マッタリ穏やか、気持ち良い美しさ、たおやかさ、それらだけがあった。

なのに!なのに! この世に強制的に引っ張り出されたら、生まれたら!どうなった?
あの、狂おしいほどに懐かしい美しい平安なたおやかさだけがあった世界とは、まるっきり正反対のものが、これでもかと山のように襲いかかってきた。

いらねえ・・こんなの、いらねえ・・ マジいらねえ。
「楽しいままで終わりたい」と言い残して、立つ鳥跡を濁さず、潔く去っていったあの子は、なんと強く正しく賢く清らかだったのだろう、心から尊敬申し上げる。

この世で長く生きれば生きるほど、心の清らかさが失われ、汚い嫌なものばかりが勝手に染み付いていく

無であった時にこそ、本物の有があった。有になった途端、真なるものは喪失し、無になった。なんて悲しい皮肉なの・・