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すべての要であるストーリーがイマイチ

雲海から資材や遺物を引き上げるサルベージャーの少年レックスは、ある日、「天の聖杯」と呼ばれる女の子ホムラに命を救われる。
彼女は天にそびえ立つ世界樹、その頂上にある「楽園」に連れて行って欲しいとレックスに告げるのだが…。

どことなく、スタジオジブリの名作「天空の城ラピュタ」を彷彿とさせ、男のロマンを感じさせる導入である。
しかし、このザ・ボーイミーツガールで王道なストーリーは、全体のあらすじこそ素晴らしいものの、
じっくり楽しもうとすればするほど、思いを巡らせるのが馬鹿らしく思えてくるほどに「ガバガバ脚本」なのである。

争いを好まない心優しい少年であるはずのレックスは、小型の神獣(アルス)を使役した神獣船をモノのように破壊し乗り捨て、
出会ったばかりの師匠キャラであるヴァンダムさんは、登場するや否や、レックスを逃がす時間稼ぎのために武器を自らの体に突き刺して絶命する。
しかしレックスは逃げることなく、「天の聖杯」の力を覚醒させ、一瞬で敵を退ける。
ヴァンダムさんは見事に犬死にだ。その場その場での「熱い展開」を重視するあまり、多くのキャラクターが、見事に舞台装置としての役割しか果たせていないのだ。

こういった、書ききれないほどの「なんでだよ」で構成されたストーリーは、最後まで同じ調子で続く。
その上、やたら頻繁にイベントシーンが導入され、しかも一つ一つがとても長いものだから、
「たのむ…もういいからゲームを遊ばせてくれ!」という感情に苛まれ続ける。

その他、1話でレックスの出身地を知っているはずのニアが、
5話で「へぇ、あんたってリベラルタスの出身だったんだ」と言ってしまう記憶が消失事件などの「エピソード間の不整合」が散見されるなど、
本作のシナリオは極めて悲惨なものである。


つづく