――開発者が面白いソフトを作れる環境づくりで意識していることはありますか。

「最近はゲームの内容についてあまり口は出しません。会社が大きくなり、優秀な人材が集まってきます。
自由にやらせていれば自然といいものができる。ただし、他社に負けないスペックの高いゲームを作ることにはこだわる。時間や資金はたくさんかけてもいいし、人員のバックアップは任せろと言っています」

「18年1月に発売した『モンスターハンター:ワールド』は、大画面の60インチの4Kテレビで迫力のある映像になるように指示しました。
その結果、世界中の人に受け入れられ、18年9月末での販売本数が1070万本に上るヒットになりました」

――自由にやらせるだけで売れるソフトができるのですか。想定通りにいかないことも多いのでは。

「若い社員は小さいころからゲームで遊んでいるので、感性ができあがった状態で入社してきます。ベテランの社員よりもむしろゲームを知っており、専門的なソフトの作り方さえ学べば即戦力になります。
下請けはなるべく使わずに、体力や知識欲のある若手にどんどん開発現場を任せて質の高いゲームを作るようにしています」

「もちろん、失敗作もたくさんありますよ。良い作品でなければ売れない。ゲーム業界の厳しい現実は骨身に染みています。
ただ、失敗するのは新しいことに挑戦するからでもある。
失敗は経験値として残し、次の機会に生かせばいいのであり、私は終わったことはなるべく忘れるようにしています」
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO40153630X10C19A1000000?channel=DF041220173308&;n_cid=LMNST011&page=3