野村「ヴェルサスはPS3で作ると取捨選択を行う必要がある為、PS4に移行した」 (2013年6月)

――それだけの判断の要因になった、“この作品でやりたいこと”というのは?

野村 おもに、表示に関することです。『FFXV』は極力シームレスで展開させるつもりなので、
実行する可能性のあるすべてのアクションを、つねにメモリに置いておかなければならないんです。
何より『FF』ですので、多彩な武器やパーティーメンバーそれぞれのアクション、魔法といった、さまざまな要素があります。
それらRPGとしての膨大な量のキャラクターデータを常駐させつつ、広大なマップで多種多様な敵と戦ったりすると、相当な負荷がかかる。
とくに、主人公のノクトはすべての武器が使えるので、ほかのキャラクターよりも負荷が高くなります。
そこに、絵作りのための光源や物理計算、フィルターなども足していくわけですが、一度に表示できるものには限界があるので、
取捨選択を行う必要が出てきてしまいます。
https://www.famitsu.com/news/201306/24035505.html


野村「PS4でのゲーム開発においては取捨選択が重要になる」(2013年10月)

――数々のハードの世代交代を見てきた野村さんから見て、PS4にはどのぐらいのインパクトがありましたか?

野村 「やりすぎだな」と思いました(笑)。さすがにそろそろカンベンしてほしいなって(笑)。
“相当作り込める”というのは、ユーザーさんからすればすごく期待が膨らむことですが、開発者はそのハードルを超えていかなきゃならない。
やれることがすごく増えるので、そうなると、広げるだけ広げていたら終わらない。
何を取って何を捨てるか、取捨選択を迫られるでしょうね。
https://news.nicovideo.jp/watch/nw804178


野村「BDの容量50GBはもう限界。キングダムハーツ3はボリュームが多くムービーが入らなくて困っている」 (2018年)

――発売日発表をひとつの区切りとして、これから開発が大詰めに向かっていくと思いますが、
現在はどのような状況なのでしょうか。

野村 パーセンテージではなかなか表現しづらいところです。
いまは、『KHIII』のボリュームがありすぎて、容量が足りないことが悩みになっています。

――その原因とは?

野村 理由はいろいろあるのですが、影響が大きいのはムービーの容量ですね。
リアルタイムのカットシーンを読み込むとき、同じシーンであれば読み込むデータが
少なくて済みますが、たとえば先程の“一方そのころ”のようなまったく別のシーンが入ると、
そちらのデータをイチから読み込むためロードがすごく長くなるんです。

これを解決するために、一部のカットシーンをムービー化して読み込み時間を
減らしているのですが、高画質のままムービー化すると容量が大きくなってしまいます。
それが想定以上になっていて。
https://s.famitsu.com/news/201807/11160575.html?page=3