賽の河原では、
「一つ積んでは父の為、二つ積んでは母の為」
と石を積んで、仏塔を作ります。
朝6時間、夜6時間、泣きながら石を運び続けねばならず、
石にすれた手足がただれ、指から血がしたたり、
体が鮮血に染まります。

その苦しさに、
「お父さーん、お母さーん、助けてー
どうして助けてくれないのー」
とその場に崩れ、突っ伏して
「えーん、えーん」
と泣いてしまいます。

すると、獄卒の鬼がにらみつけ、
「なんだお前のその塔は。ゆがんでいて汚いな。
そんなもので功徳になると思うのか。
早く積み直して成仏を願え」
と怒鳴りつけ、せっかく作った塔を
鉄の杖やムチで壊してしまいます。

このように毎日12時間、
石を積んでは崩され、
石を積んでは崩され、
これをいつ果てるともなく繰り返すのです