<性から生へ ジェンダーを超える 番外編>非正規女性、窮地に コロナ禍、弱い立場鮮明 給与補償受けられず/職業への差別も露呈
05/09 05:00

新型コロナウイルスの感染拡大で、弱い立場の労働者が窮地に陥っている。
中でも非正規労働者の7割を占める女性は、
休業に伴う給与補償を受けられないなど不安定な立場に置かれ、
夫の「補完的」な収入と扱われる根深い性別役割分担の意識にも苦しむ。
セックスワーカー(性風俗従事者)への差別や偏見も露呈するなど、女性と労働を巡る問題は深刻化している。

 4月末、男性芸人のラジオ番組での発言が「人の『転落』や不幸を喜ぶのか」と激しく批判された。

 「やっぱりなって思った」。デリバリーヘルス(派遣型性風俗店)で働く札幌市の女性(37)は言う。「芸能人も社会も、風俗イコール底辺、転落ってみてるんだ」

 両親から養育放棄され、高校の時に家を出た。その後結婚し専業主婦になったが、夫の暴力に耐えかねて2年前、当時1歳の息子と逃げた。
でも「中卒では求人も少なく低賃金ばかり」。子供との生活を守るために選んだのが風俗だった。

 芸人の言う通り、勤務する店に未経験の新人が最近目立ち始めた。理由は知らない。でも「生きるためにたどり着いたんだろう」。
自分もそうだが、みんな「感染は怖いが、仕方ない」と思っているに違いない。

https://www.hokkaido-np.co.jp/sp/article/419293?rct=