先週一部スタジオの売却を発表したスクウェア・エニックスが、新たなスタジオの設立と買収を検討していることがわかった。

最新の決算説明会で紹介された中期事業戦略の一環として、「新規スタジオ設⽴、M&A(合併と買収)等によるタイトル開発⼒の増強」が掲げられている。

スクウェア・エニックスは先週、Crystal Dynamics、Eidos-Montréal、Square Enix MontréalをEmbracer Groupに3億ドル(約390億円)で売却することを発表。これに伴い「トゥームレイダー」、「Deus EX」、「Thief」などのIPもEmbracer Groupに渡ることとなった。

複数のスタジオやIPを売却した直後にほかのスタジオを求めるというのは奇妙に見えるかもしれないが、「デジタルエンタテインメント事業のポートフォリオ再構築」することを目的としているという。

この目的のもと、スクウェア・エニックスは「⾻太のIP育成(新規IP創出への挑戦を含む)」とともにさらなるスタジオの設立と買収を計画している。

ゲーム開発スタジオの買収は近年のビデオゲーム業界で盛んに行われている戦略で、マイクロソフトは687億ドル(約7兆8800億円)という巨額の資金を投じてActivision Blizzardを買収し、買収競争をリードしている。

XboxとPlayStationは買収戦略を指揮する担当者を採用しており、スクウェア・エニックスも同様の路線を狙っているようだ。

2月にはソニーが36億ドル(約4100億円)でBungieを買収。2021年にもBluepointやHousemarqueなど複数のスタジオを買収していた。さらに4月には、SIEの社長ジム・ライアンが「すでにさらなる買収を計画している」と発言していたことから、買収は今後も続くとみられる。

一方、マイクロソフトによるActivision Blizzardの買収は、ディズニーによる21世紀フォックスの買収額713億ドルや、AT&TによるTime Warnerの買収額854億ドルに次ぐエンタメ史上最大規模の買収となる。

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