『FORSPOKEN』海外評価――バトルや探索は良いが、ストーリーが陳腐でオープンワールドも退屈?
「すべての罠にまんまと引っかかってしまっている」

本日1月24日、スクウェア・エニックスによる新規IP『FORSPOKEN』が無事に発売を迎えた。『ファイナルファンタジーXV』を手掛けた開
発メンバーを中心に形成されたLuminous Productionsの1作目であり、「ファイナルファンタジー」や「キングダムハーツ」と肩を並べる
IPを目指して開発された。

世界各国のメディアは発売前日にレビューを掲載しており、IGN JAPANでは8点の高得点を獲得している。以下にレビューの総評を引用し
よう。

魔法を軸に移動アクションやバトルシステムを構築した意欲作。快適な探索やスピード豊かなバトルに独自の魅力を持つオープン
ワールドアクションRPGだ。若きニューヨーカーの精神的成長を描いたストーリーは没入感が高い。その一方でバリエーションが乏しいサ
イドクエストや拠点での移動の遅さに問題を抱えている。

問題を指摘しながらも、魔法を主体とした移動アクションやバトルによるユニークなオープンワールドアクションRPGに仕上がっていると
いう評価内容だ。

しかし、海外メディアはより厳しい評価のレビューが目立つ。レビュー集積サイトMetacriticには記事執筆時点で62件のレビューが登録
されており、68点のメタスコア(平均スコア)に留まっている。スクウェア・エニックスによるゲームの平均メタスコアは74点で、
『FORSPOKEN』が同社のハイエンドタイトルであることを思えば、残念なスコアなのは間違いない。

IGN本家は6点を下し、「運の尽きた孤児が突如としてファンタジーの異世界に転生して、なぜか魔法が操れるようになり、この世界で悪
と戦ってヒーローになる。このあらすじが、読んだことも忘れてしまったありきたりのファンタジー小説に思えるのならば、それはきっ
と『FORSPOKEN』が――味気ない物語から生命感のないオープンワールドに至るまで――驚くほどに陳腐なRPGであるからだろう」という
文章から始まっている。

そんなIGN本家も「派手な戦闘やパルクールは面白いときもある」ことは認めているが、「陳腐なストーリーや必要最低限のものしかない
オープンワールドを救えるほどのものではない」という。

大手ゲームメディアGamespotは5点とさらに低い評価で、「推奨することは難しい」としている。

「世界設定そのものは興味深いが堅苦しい形で説明され、魔法パルクールによる探索は爽快でもこの世界にはおもしろい遊びやクエスト
がまるでない。戦闘は見た目が派手なだけでおもしろいとは言えず、サウンドデザインや音楽は素晴らしいが好きになれない主人公たち
の軽口で台無しにされる」と、酷評と言ってもいいような文面でレビューを締めくくっている。

海外レビューで『FORSPOKEN』を高く評価したメディアがないのかというと、そういうわけではない。例えばGamingtrendは90点を付けて
おり、物語が無難であることや、主人公たちのやりとりにいらいらするといった、ほかのメディアと同じ問題を指摘している。それでも
「『FORSPOKEN』は素晴らしいタイトルだ」と主張している。

「何度も戻りたくなるゲームだ。この興味深いファンタジー世界にいて、動き回るだけで楽しいゲームだ。アクションゲームにとっては
大きな躍進であり、ずっと遊んでいたい」とのこと。

90点以上のレビューはわずか2件しかないが、IGN JAPANのように80点台のレビューはそれほど珍しくはない。

80点をつけたEasy Alliesもやはり主人公とその相棒のやりとりについて「非常にいらいらする」としているが、ストーリーそのものは評
価しており、「この世界のミステリーは興味深く、エモーショナルな場面や思わぬ展開も多い」と言う。バトルについては魔法の入手過
程が遅すぎるとはいえ、ゲームの後半で幅広い魔法を操れるようになってからは「素晴らしく爽快」で、魔法パルクールについては「至
高のオープンワールドならではの探索の自由度」を与えているとしている。

「FORSPOKENはアクションゲームやRPGのファンにオススメできないわけではないが、できることなら、すべての魔法がアンロックされた
私のセーブデータを最初から渡してあげたい」と7点をつけたDigital Trendsも、魔法の入手過程を問題にしている。
https://jp.ign.com/forspoken/65278/news/forspoken