当時の地元では、ゲーセンが学校帰りの溜まり場だった。
クラスの男子の半分はいた、学年関係無く集まっていた。
今に比べたら店内は暗く、不良もいたし、天井はいつも霧というか、もやのような煙が舞っていたような記憶がある。

店内は波動拳!、バーンナックル!、弧月斬!、ボディが甘いんだよ!と格ゲーの音以外にはポップコーン!ポップコーン!しか聞こえないぐらいだった。

そんな2D格ゲー全盛期に突如現れたポリゴンにゲームが一変していった。
今みたらただの四角の積み木にしか見えないけど、ドットしか知らなかった自分達には本当にリアルに見えたんだ。

画面の中に人が立っている、十年早いんだよ!と誰もが叫んだ。
新宿ジャッキーや池袋サラに熱狂した。
高橋名人のような企業からのキャラクターではなく、各地のゲーセンの大会から有名人が生まれるといった現象に誰もがゲームを巧くなりたいと研磨していた。

ビートマニアの登場には誰もがこれはゲームなのかと首を傾げていたし、1プレイが高すぎたことも相まって、Houseに誰もが絶望した。

学校でも足が速いや運動が得意に並んで、ゲームが上手いが取り柄になりえた時代だった。

あの頃、ゲーセンに来てたお兄さんもおっさんも、不良の兄ちゃんも怪しい爺さんもゲーセンの店員も店長もみんなみんな顔見知りで、50円を握り締め、台の隙間に挟んで、みんな並んでた。


同じ時間、同じ場所に、同じゲームをすることが
とても大事なことだったのかもと今は少し思う