伝説のクリエイターが贈る和製RPG「シェンムーIII」ファーストインプレッション

ひととおりプレイを終えた感想は、ゲーム、とりわけオープンワールドゲームに対する遊び手の向き合い方が試される内容だったなと感じた。

 表面だけでこのゲームを評価すると、かなり辛くなると思う。
主人公 芭月涼の表情は硬いままだし、誰彼構わず、“顔に傷のある男”を捜していることを伝えるRPGとしての硬直性は、今のゲームの価値観には合わない部分がある。

 バトルも同じだ。「バーチャ」鈴木氏の最新作としては、おそらく本人がもっとも不本意だと思うのだが、3D格闘アクションとして「龍が如く」シリーズはおろか、「バーチャファイター」の水準にも到達していない。

全般的に動きが硬く、動きに連続性がなく、オープンワールドアクションでありながら物理演算周りの処理も甘い。「バーチャ4」ぐらいの感覚で多人数バトルが楽しめると期待しているユーザーにとっては、そのガチガチの“硬さ”に驚くのではないだろうか。


 鈴木氏自身、過去のインタビューでこのゲームはアクションゲームではなくRPGだと語っており、涼は自身のテクニックではなく、
ゲーム内で修練のミニゲームを繰り返しレベルアップすることで強くなるシステムになっている。「バーチャ」に無数に存在したコマンド技も、LもしくはRで切り替えてボタンひとつで発動できるシステムになっている。
これは“ビギナー向けの措置”という見方も出来るが、いずれにしても「シェンムーIII」ではストーリーテリングが第1で、バトルは副次的なポジションとなっており、
バトルを期待しているファンにとっては残念なところかもしれない。

https://game.watch.impress.co.jp/docs/kikaku/1203187.html