映画では、「プレビズ」や「バーチャルプロダクション」として、ゲームエンジンを使う例が増えている。実際のCGや
セットでの撮影を行なう前に、ゲームエンジンでシミュレーションをするのだ。

Epic Gamesはこうしたジャンルにも積極的で、映画産業向けのページも用意している。すでに70以上の大作映画で
利用実績があるという。日本でも、背景をUEやUnityなどのゲームエンジンで描くなど、アニメ作品に使う例が増えている。

特に筆者が注目しているのは「バーチャルセット」への活用だ。LEDなどを使った巨大なスクリーンを用意し、そこに
リアルタイムCGを使って背景を表示、その前で演技することで、ロケのコストを削減している。この手法を
使った作品としては、「マンダロリアン 」がある。マンダロリアンはUE4を使い、バーチャルセットを使って撮影された。

今年のCESでは、ソニーも同社の大型高密度LEDディスプレイ「Crystal LED」を使ったバーチャルセット技術を
デモしている。詳しくはCESのレポート記事をご覧いただきたい。

UE5でハイエンドCGモデルをそのまま使えるようになれば、 バーチャルセットのクオリティは劇的に上がる上に、
「バーチャルセットのためにデータをコンパクトにする」必要もなくなる。高精度な写真から3Dモデルを作る「フォト
グラメトリ」技術をつかったデータは大きくなりやすいが、UEが理想的に機能するなら、活用しやすくなるだろう。

おそらくそうした用途ではPCが使われるし、そうするのが現実的だろうと思う。だが、もし、PS5を複数台用意して、
それをつないで代わりに使うソリューションができたらどうだろう? ハードコストは劇的に下がる可能性が出てくる。
ソニーがそんなソリューションを考えていたとしても驚かない。

tps://www.watch.impress.co.jp/docs/series/nishida/1252924.html