ところが、ここで「(JeSUの)岡村氏はまず、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)と刑法賭博罪に関してJeSUが行ってきた取り組みを発表した」とあるものの、
ゲーム大会の運営資金として参加費を取り、この参加費をゲーム優勝・入賞者の賞金に充当しなければ刑法賭博罪には該当しないというのは
当初から警察庁が公式に見解を出しており、景品表示法上も役務である限りは問題とならないことはJeSUが働きかける前から
すでに充分知られていたことであって、ちょっと何が言いたいのか良く分からない内容になっていました。

 また、消費者庁にノンアクションレターを出したJeSUの内容が公開されていますが、この程度のことは自社製品のゲーム大会を運営している各社は
すでに個別でヒヤリングして明らかになっている内容ばかりで、なぜいまさらこの問題をJeSUが東京ゲームショウのステージで発表しているのか
理解に苦しみます。

 一番JeSUにとって都合の悪いことは、「JeSUが仕切っているプロゲーマー制度を使わなくても、ゲーム大会で賞金を出すことができる」という事実であって、
このプロゲーマー制度が形骸化し、本来であればユーザー発の大会や各社が行う自社大会で充分対応できるところを
「プロゲーマーの認定を取らなければ賞金を受け取れない」という根拠のない謎の法的整理で制約を加えるかのような動きは望ましくないのではないでしょうか。
すでにe-Sportsはオリンピック競技として正式に採用される可能性は乏しくなっており、競技団体の一本化の必要がどこにもなくなっているいま、
結果的に日本のゲームメーカーの対戦ゲームの足を引っ張り、巷で流行っている対戦ゲームは軒並み海外製ゲームばかりという末路にならないよう、
一人のゲーマーとして祈るばかりです。

 なぜか「JeSUのプロゲーマー制度では中学生は賞金を受け取れない」という情けない問題も発生していました。プロ競技としては
将棋も囲碁も普通に保護者の承認を得て小学生・中学生でも賞金を満額受け取ることができる制度になっています。
これは、ゲームが「技量に対する役務である」という原則を理解しておらず、一律に年齢でプロ制度を規定しているから
このような間抜けな事態を起こすわけで、JeSUもガンホーももう少し考えたほうがいいのではないかと思います。