吉田氏: 
 第1世代のMMORPGは着替えるためにバンクや倉庫まで移動し、そこで荷物の整理をしていました。月額課金のMMORPGは時間を消費してもらわないと継続的にお金を落としてもらえなかった。「エバークエスト」では、魔法を唱えるため、スペルブックに新しい魔法を登録するたびに15分ぐらいの時間が必要でした。あの時代は、それも世界観やリアリティのひとつだったんだと思いますが、これだけゲームが氾濫する時代では、即冒険にでかけるためにも、“待ち時間”は極力減らすべきなんだと思います。

――時代が変わりましたね。

吉田氏: はい。でも、それが“進化”ということでもあります。

https://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/743507.html


―― 今の「新生FFXIV」はみんな同じ方向を向いているというか、もう少しユーザーイベントがあったり、好き勝手やっている人がいるような多様性があってもいいのではないでしょうか?

吉田氏: それはたぶん「新生FFXIV」が第2世代MMORPGの中でも、特に無駄の無い作りになっているからだと思います。
開発期間が短かったこともあり、必要なものばかりある、だからあまり余裕が無いように感じられてしまう、というのは事実かもしれません。
まもなくMMORPGも各社努力で第3世代になるかと思いますが、そうなれば、もう少しユーザークリエイテッドコンテンツが入ってくると思います。


―― 無駄の無い作りとは?

吉田氏: 「FF」シリーズで、世界中の人にキチンと遊んでもらえて、忙しい人たちでも1日に2時間か3時間あれば、長期間にわたって十分遊べるゲームを作ろうと思った時、たどり着いたのが今の状態です。第1世代のMMORPGとの最大の違いは、レベリングが中心かそうじゃないかという所です。

 レベリングに時間がかかると、突っ走っている人とそうでない人に歴然とした差が付きます。でも、これはこれで良いこともあり、同じレベル帯でない人とは交わらない。だから進行が遅い人は、遅い人同士で集団を作って低レベルコンテンツに留まり、突っ走っている人は先頭集団の細い所に集まる。それぞれの遊びは被らないし、それぞれが得る装備もまったく違います。同じコミュニティの中に、進行度が違う人がいる場合、一緒に遊ぶために「じゃあ今日はFCで夏祭りをやってみよう」という風に、繋がりを作ろうという意識がより強く働きます。

それと同時にやはり「FFXI」は偉大なタイトルで、その経験をもう1度味わいたいという方も多く、いずれも僕たちにとっては、大切なお客様ですので、しっかり受け止めさせていただこうと思います。

―― 初めて経験したMMOを超えるのは難しいというやつですね。

吉田氏: それも大きいとは思います。ですが、ニュアンスはコンテンツとして、できる限り取り込むチャレンジもしていきたいと考えています。

https://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/655746.html