スクウェア・エニックス・ホールディングスが発表した約221億円の特別損失がゲームファンの間に波紋を広げている。なぜこのような判断になったのか。

発表では開発を中止するタイトルや本数には触れていない。しかしSNSでは、約221億円という規模感からかAAAタイトルの開発中止を想起した人が多いようだ。中でも、21年5月の発表以降、あまり情報が出てこない「ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎」(ドラクエ12)を心配する声が多い。

ドラクエ12は、作曲家のすぎやまこういちさん、漫画家の鳥山明さんが関わった最後の作品ともいわれる(注:スクエニは鳥山さんが開発に関わったか、などの情報は公開していない)。しかし4月上旬に「ドラゴンクエスト」シリーズのプロデューサーが次回作の開発遅延を受けて異動したと複数の経済誌が報じており、それもドラクエ12の先行きを不安視する材料になったようだ。報道によると、4月1日に行われた大規模な組織再編の一環だという。

「強力なIPに依存しすぎていた」
 スクエニは、23年から今年にかけて「FINAL FANTASY XVI」「ファイナルファンタジー ピクセルマスター」「FINAL FANTASY VII REBIRTH」などの大型タイトルを相次いで投入した。ただ、発売直後こそ「〇万本売れた」と景気の良い発表をするのに、その後は音沙汰のないケースも多く、かつての家庭用ゲーム機のシェア争いまで左右した勢いは感じられない。
https://www.itmedia.co.jp/news/spv/2405/01/news134.html