『スプラトゥーン』はとてもよくできたゲームだと思います。FPS/TPSを日本のカジュアルユーザーにどう普及させるかということを、とことん考え抜いた解だと思います。
モンスターと銃ではダメなので、イカと絵の具でいけば大丈夫なのではないかという発想ですね。

黒瀬
N64で『スーパーマリオ64』を出したときと基本の構えは変わっていないわけですね。最新作の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(任天堂、一七年、以下『BOW』)も同じでしょう。
要は、トップレベルの海外オープンワールドゲームを遊びやすく作り変えたものを日本で売った。

さやわか
とはいえ、それが日本では単純に「任天堂すごい」になっている。

黒瀬
それは日本だけでもなくて、そこにねじれを感じています。全世界のゲームメディアが選ぶ「The Game Awards」という賞がありますが、一七年度は『BOW』がGame of the year を獲った。
そればかりか、『スーパーマリオオデッセイ』(任天堂、一七年)までノミネートされていて、さすがにおかしいと思いました。
ゲームとしての新しさやクオリティで見れば、『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』(PUBG Corporation' 一七年、以下『PUBG』)や『Horizon Zero Dawn』(SIE、一七年)のほうがあきらかに上です。
 同賞を選ぶメディア関係者は任天堂信者が多い。一七年は任天堂の年だという声がとにかく大きかった。でも実際のところ『BOW』はふつうのオープンワールドゲームですよ。

さやわか
キレイに作ったとは思いましたけど。しかし一七年のゲーム全体の話題では『PUBG 』のほうがホットだったのはまちがいないでしょう。

ゲンロン8 共同討議「メディアミックスからパチンコへ 日本ゲーム盛衰史1991-2018」より
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