「マリオはデジタル時代のキャラクターに」京都・任天堂の宮本さんが考える進化と得たもの

28日に全国公開される「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」は、任天堂のゲームキャラクターを映像化した初めてのアニメーション映画だ。主人公「マリオ」の生みの親である同社代表取締役フェローの宮本茂さんが映画制作を通じて得たものとは。キャラクターを生かした今後の創作や映画の楽しみ方についても語った。

 −マリオが誕生して約40年になるが、今後どのように育ってほしいか。
 「ミッキーマウスのように、とは思っていない。マリオはデジタル時代のみんなが知っているキャラクターとして定着していけばいい。マリオというより、任天堂がどうなるかだ。任天堂はかつて、かるたの会社と言われていた。そこからゲーム会社同士の競争があって、コンピューターメーカーや家電メーカーが参入してきても、われわれはどことも競争せず、『任天堂は任天堂です』とずっと言ってきた」

 「最近では、任天堂はファミリー(家族)にとって安全なブランドだと思われていると感じる。だから、変なものは作らないし、時間がかかっても安心してもらえるものを出すことを続けてきた。そういう意味では任天堂はゲーム会社ではなくても、家族とともにあるブランドになればいい。テーマパークやゲーム、映画。モバイル(携帯端末)でも任天堂を見てもらえるように、一生持ち続けられるアプリを作りたい。ゲーム機がない国でも任天堂に触れてもらえる環境にだんだん近づいてきた」