https://jp.gamesindustry.biz/article/2403/24032801/

 今月は任天堂について述べたい。

 だがその前に,前回の記事を執筆したあとに発表されたSony Interactive Entertainmentの構造改革に触れておく。
すでにBungieのレイオフが実施済みだったので,さらに人員削減が行われたことに驚いた人も多いだろう。2024年に
入ってAAAやライブサービスに積極的に資本を投下していた米系メーカーがレイオフを積極化している。膨れ上がった
開発費を回収することが,PS5の予想外の不振で難しくなっているからだ。

 東洋証券では,Z世代が購買力を持つ結果,嗜好が変わり(行動変容),ゲーム販売がアニメ指向になるので,意味の
ない規制はやめ,ハードもゲーム機らしくしアニメの本場ともいえる日本市場の本格対応を進めるべきだと提案をして
きた。しかしSIEからは悲しい気持ちにしかならないから批判をしないでほしいという意見表明を返されてしまった。
その結果が,8%,900名ものレイオフになったかと思うと,大変失望している。

 ジム・ライアン氏の体制では,因果関係の乏しいものに資本投下が無駄に続けられていた。ユーザーが装着を嫌悪して
いるPS VRが売れたことにして大失敗したPS VR2,MMORPGの衰退の歴史を知っていれば長期ヒットしないことが分かるライ
ブサービス,さらに高性能かつ高コストのPS5を出した(PS3に続いて2度目である)。これらを改める必要があるにもかか
わらず,PS4を成功としたり、失敗をなかったことにしたりして資本の無駄遣いと言うべき状況になっていた。

 筆者は,SIEは失敗を認めることから始めるべきであると指摘してきた。十時氏は筆者の指摘通り,反省から始めている。
反省しないと改革はできないからだ。これからSIEが真摯に動けるかがビジネスを決めるだろう。