溝部氏:
 初めに、参考とするゲームを決めます。最初はそれを忠実に真似ようとしていくんです。ゲーム性の問題で、真似できる部分とできない部分が見えてくるので、できる部分はそのまま真似てしまって、できない部分は徹底的に議論していく。


 ゲーム業界はオフレコというか、明らかに似ているものでも「真似しています」とは言わないですよね。文化的に「真似した」と言うことを嫌っているというのが一般的です。

 ただ、落ち着いて歴史を振り返れば、ゲーム業界もパクリのオンパレードで、パクリゲームの数が一定の閾値を超えると、それが「ジャンル」となり、パクリが許される雰囲気になっているだけなんですよね。スーパーファミコンのRPGのUIは9割以上が『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』のパクリですし、格闘ゲームなんか、ほぼ100パーセントが同じようなUIですよね。
 画面上部に体力ゲージがあり、左右に自キャラと敵キャラがいて、下に技ゲージがある。ソシャゲに関しては言うまでもなく、初期の作品はほとんどが『ドラゴンコレクション』風、スマートフォンに移ってからは『モンスターストライク』や『パズル&ドラゴンズ』風のものばかりでした。

 でも、それでいいんです。それこそが文化の発展で、コンテンツの歴史そのものだと私は思っています。違法性があるかどうかは、当事者同士が裁判で争えばいい。
 そういうわけで、私はWebの開発文化を取り入れて、使えるものは全部ライブラリとして使うし、共通アセットなどもどんどん利用する。開発姿勢は全く違います。

https://news.denfaminicogamer.jp/interview/190906a